いつでも植えられるようにつくられ、売られているのが植木だと思いますが、北関東で真冬に常緑樹の苗木を植えたら、寒さで枯れてしまいます。真夏に落葉樹を植えるのも危険です。庭木・花木には、樹種ごとに根付きによい時期と、そうでない時期があり、時期はずれに無理して植えると、根づきが悪く、成長が止まってしまったり、枯れてしまう事もあります。
ハナミズキは、落葉広葉樹なので、落葉が始まる頃から春に芽吹くまでの間なら、いつでも植えることができます。寒冷地のように、土が凍結してしまう地域では、春の彼岸過ぎの寒気がゆるんだころがハナミズキの適期です。雪国では、雪解けを待って行います。
・植えつけ場所
どこに何を植えるか、これを配植といいます。庭を舞台とすれば、一本一本の木や草は役者です。動き回る事はしませんが、四季折々に表情を変えます。主役、脇役があります。それをどう演出をするかが配植です。
日本の伝統的な庭づくりでは、図のような植栽技法、「真」「対」「添」「前付」「留」という組み合わせ方があります。木の大きさ、風格などで役を決め、主役を引き立てながら全体の釣り合いがとれるように考えた日本人の知恵です。素人の庭づくりにも簡単に応用できるので、覚えておくと役にたちます。これに対して、洋風の庭園では集団の美しさ、左右相称のバランスなどを大切にします。
木の性質、将来の大きさ、日当たり、見る方向などを考えて、植える位置が決まったら、植え穴をほります。木の表(幹枝の姿が一番よくみえる面)が正面をむくように植えつけます。【具体的な作業は下を参照】
・鉢の種類と大きさ
ほとんどがプラスチック鉢で栽培されています。また、ガーデニングブームは英国を中心にしたヨーロッパスタイルの鉢をもたらし、国内でも生産が始まりました。間伐材を利用した木製品も出回っています。空き缶やバケツ、発砲スチロールの箱などの不用品の再利用は使い方しだいでおもしろくなります。いずれにしても、鉢が目立ちすぎるのはよくありません。主人公はあくまでも植物です。【具体的な作業は下を参照】
苗木の植えつけ(庭への植えつけ)
春が近づくと、園芸店にハナミズキの苗木が多く出回るようになります。庭植えの植えつけは3月いっぱいが適期です。植え終わったら、支柱を立て、たっぷりと水を与えておくようにします。
根回しをした木の移植(庭植えの場合)
9月に根回しをした木は、約半年たった今が移植のチャンスです。大きな木の掘りあげには多少気を使いますが、植えつけの作業は基本的に苗木の植え付けの場合と同じで簡単です。
鉢の植え替え
鉢植えで少しずつ大きく育てたいときは、一回り大きな鉢に植えかえ、根づまりを防ぎます。5~6号鉢は毎年、7~10号鉢は1年おきに、12号以上では3年に1回行います。